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畳製造のAI含水率・寸法管理|い草の乾燥と仕上げを自動判定し品質を安定

畳製造の現場では、い草の含水率管理と乾燥工程の精度が、仕上がりの品質と寸法の安定性を大きく左右します。

この記事でわかること

  • 畳製造における含水率管理・乾燥工程が品質を左右する仕組み
  • い草の乾燥がベテラン職人の「勘」に頼りがちな理由と、そのリスク
  • AIによる含水率・寸法の自動判定で不良率と検品時間がどう変わるか
  • 畳製造業がAI活用を進める際に地方中小企業がつまずきやすいポイント
  • FURUSATOの無料3時間現場セッションで何から着手できるか
この記事の要点

畳製造の含水率・乾燥管理は、AIセンサーとカメラで数値化・自動判定することで、勘や経験に頼らずとも不良率と検品時間を大幅に削減できる。地方中小企業でも、無料の現場セッションから仕組みごと変える形で着手すれば、無理なく導入できる。

畳製造における含水率管理と乾燥工程が品質を左右する理由

畳は、畳床(土台部分)とい草を織り込んだ畳表、縁(へり)で構成される製品です。含水率とは、材料の全重量に対して水分が占める重量の割合を指し、畳表に使うい草の場合、一般的に適正とされる含水率はおよそ12〜15%とされています。この範囲を超えて水分が残ったまま出荷すると、カビや変色、い草の伸縮による寸法のズレが発生しやすくなります。逆に乾燥させすぎると、い草にツヤがなくなり、折れや割れが起きやすくなります。

老舗畳店であるB社の場合、天候や気温によって毎回い草の乾き具合が変わるため、熟練職人が指先の感触と色味だけで乾燥完了のタイミングを判断していました。この勘に頼った工程は、繁忙期に新人を戦力化できないという課題に直結し、結果として受注できる枚数の上限を自ら決めてしまう状態になっていました。実際の作業現場では、乾燥室から取り出したい草を1束ずつ手に取り、曲げた際のしなり具合と匂いで「もう少し」「今日はここまで」と判断するシーンが日常的に繰り返されています。この判断基準が数値化されていないこと自体が、畳製造業の生産性を頭打ちにしている最大の要因だと言えます。

さらに畳床に使われる稲わらやポリスチレンフォームなどの芯材も、含水率が高いままだと接着不良やダニ・カビの発生原因になります。表と床、それぞれの含水率を別々のタイミングで管理しなければならない点が、畳製造ならではの難しさです。ある地方の畳製造業者では、梅雨時期になると畳床の含水率が普段より2〜3ポイント上振れしやすく、出荷後にクレームが集中する時期が毎年決まって発生していました。季節要因まで含めて数値で把握できていなければ、原因を天候のせいにするしかなく、再発防止の打ち手が打てないままになってしまいます。

なぜ畳製造の乾燥・含水率管理は属人化しやすいのか

畳製造は全国的に見ても小規模な家族経営・地方中小企業が担う比率が高い業種です。経済産業省の調査でも、ものづくり分野の中小企業では技能承継の遅れが継続的な課題として指摘されており、若手職人の確保が難しいことに加え、乾燥や含水率の判断基準がマニュアル化されていない現場が少なくありません(経済産業省「ものづくり白書」参照)。畳製造業も例外ではなく、属人化・人手不足・アナログ業務という地方中小企業の三大課題がそのまま乾燥工程に集約されている状態です。

畳店C社では、乾燥作業を一人前に任せられる職人がベテラン1名のみという体制が続いていました。その職人が体調を崩して数日休むと、乾燥工程だけが止まり、他の工程が終わっていても出荷全体が遅れる状況が繰り返し発生していました。含水率という数値で管理されていれば、経験の浅いスタッフでも代役を務められたはずですが、判断基準が言語化・数値化されていなかったため、属人化がそのまま経営リスクになっていたのです。地方の中小企業のAI活用が遅れがちな背景には、こうした「そもそも数値化する発想自体がなかった」という事情が大きく関わっています。

後継者不足も深刻です。畳職人になるための修業期間は一般に数年単位とされ、乾燥や含水率の見極めだけでも一人前になるまで数年かかると言われています。求人を出しても応募が集まりにくい地方の畳店では、既存の職人一人ひとりへの依存度がさらに高まる悪循環に陥りがちです。技能承継の遅れを補う手段として、勘や経験をデータに置き換えるAI活用は、後継者育成の時間を短縮する意味でも有効だと考えられます。

畳の寸法管理が難しいのはなぜか(江戸間・京間・団地間の違い)

畳は全国一律の規格ではなく、江戸間・京間・中京間・団地間など地域によって寸法が異なります。例えば江戸間は約176cm×88cm、京間は約191cm×95.5cmと、同じ「畳」でも1枚あたり10cm以上サイズが違うため、製造工程では図面ごとに正しい規格へ寸法を合わせ込む必要があります。寸法誤差が数ミリでも生じると、部屋に敷き込んだ際に隙間や段差が出てしまい、施工後のクレームに直結します。

複数の地域向けに畳を製造している業者の場合、規格ごとに型紙や裁断基準を切り替える必要があり、担当者が思い込みで違う規格の型紙を使ってしまうヒューマンエラーが一定数発生していました。ある畳製造業者では、月あたり2〜3件の寸法誤差クレームが発生しており、その都度現地で採寸し直して作り直すコストが利益を圧迫していたといいます。含水率の変化によってい草や畳床がわずかに伸縮することも寸法誤差の一因であり、含水率管理と寸法管理は切り離せない関係にあります。

AIによる含水率・寸法の自動判定で何が変わるのか

近年は、赤外線・近赤外センサーとAIカメラを組み合わせ、い草や畳床の含水率と畳のサイズ(江戸間・京間・団地間などの規格差)を同時に自動判定する仕組みが実用段階に入っています。センサーが取得した水分反射データをAIが学習済みモデルと照合し、含水率のばらつきを±0.5ポイント以内で検知し、乾燥の継続・停止をリアルタイムで指示します。寸法についても、画像認識で畳表の織り目のゆがみや縮みを検出し、規定サイズから外れた個体を自動的に仕分けます。

ある畳製造工場でAI含水率判定システムを導入したところ、導入から45日で不良品率が18%から6%まで低下し、検品にかかる時間も1畳あたり平均90秒から約20秒へ大幅に短縮されました。実際の現場では、乾燥室から搬出されたい草の束をベルトコンベア上でAIカメラが撮影し、含水率と色ムラを同時にスコア化、基準値内であれば自動で次工程に送り、基準外であれば警告ランプとともに再乾燥ラインへ戻す、という業務シーンに置き換わっています。人による最終目視確認は残しつつも、一次判定をAIに任せることで、職人は微調整と仕上げの判断に集中できるようになります。

寸法についても同様に、AIカメラが撮影した画像から畳表の織り目のピッチや辺の長さをミリ単位で解析し、指定規格との差分を自動算出します。差分が許容範囲(例えば±2mm以内)を超えた場合は、裁断工程に戻す、あるいは規格違いの型紙が使われていないかを確認するアラートを出す仕組みです。含水率データと寸法データを同じ管理画面で一元的に見られるようにしたことで、「なぜこの畳だけ縮んだのか」を後から原因までさかのぼって確認できるようになったという声も、導入企業からは多く聞かれます。これは、天候要因なのか、乾燥時間の設定ミスなのか、原材料のロット差なのかを切り分けられるという意味で、再発防止にも直結する変化です。

畳製造でAI乾燥・含水率管理を導入した会社ではどう変わったか

実際にAI乾燥管理を導入した会社では、数値だけでなく現場の働き方そのものが変化しています。ある畳店を導入した会社では、これまでベテラン職人しか判断できなかった乾燥完了のタイミングを、パート従業員でも画面表示の数値を見て判断できるようになり、繁忙期の受注枚数を前年比で拡大できたと報告されています。別の建材卸を兼業する畳製造業者の場合は、含水率データを取引先への品質証明として提示できるようになり、大口の内装工事案件での信頼獲得につながったといいます。

項目 導入前(人の勘に依存) AI含水率・寸法管理 導入後
含水率判定にかかる時間 1畳あたり約90秒 1畳あたり約20秒
不良品率 18%前後 6%前後(導入45日後)
寸法誤差によるクレーム件数 月2〜3件 月0〜1件
乾燥判断ができる従業員数 熟練職人1〜2名のみ パート・新人含め対応可能

この比較からも分かるとおり、AI活用の効果は不良率の低下だけでなく、判断できる人数が増えることによる事業継続性の強化にも及びます。畳製造のように少人数体制の地方中小企業ほど、特定の職人に依存しない仕組みへの転換効果は大きくなります。

もう一社、住宅リフォーム会社の下請けとして畳を製造している事業者の場合は、含水率と寸法のデータをそのまま施工報告書に添付できるようにしたことで、リフォーム会社側からの信頼が高まり、翌年の発注量が増えたという副次的な効果も出ています。品質を数値で示せることは、価格競争だけに頼らない取引関係を築くうえでも武器になります。不良率や検品時間といった内部の効率化指標だけでなく、取引先への説明力という営業面の効果まで含めて評価することが、投資対効果を正しく見極めるポイントです。

地方中小企業が畳製造のAI活用を進める際につまずきやすい壁

一方で、畳製造の現場でAI活用の話を持ちかけると、「うちのような小さな工場にAIは早い」「導入コストが見合わない」という反応が返ってくることが少なくありません。中小企業基盤整備機構(中小機構)も、中小企業のDX推進においては初期投資よりも先に「何を数値化すべきか」を整理する段階でつまずくケースが多いと指摘しています。実際、センサーやカメラを導入しても、そもそも自社の適正含水率の基準値がデータとして存在しないために、AIに学習させる元データすら用意できない、という状態から始まる工場が大半です。

また、乾燥室のレイアウトや作業動線を変えずにセンサーだけを後付けしようとして、設置場所や配線の問題で頓挫するケースも見られます。畳製造のAI活用でつまずきやすいのは、ツールの性能ではなく、乾燥工程そのものの見直しが先に必要になる点です。ここで「ITシステム導入」ではなく「業務変革」として乾燥・検品の仕組みごと見直す視点が欠かせません。

建材卸を兼業する畳製造業者の場合、当初は「センサーを1台買えば解決する」と考えていましたが、実際に現場を棚卸ししてみると、乾燥完了の判断基準を担当者3人に個別に聞き取ったところ、それぞれが答えた含水率の目安が最大で4ポイントもずれていたことが判明しました。基準がバラバラなままAIに学習させても、精度の低い判定しかできません。まず社内の基準を一つに揃え、記録に残す運用に変えること自体が最初の業務変革であり、ここを飛ばしてツールだけ導入しても定着しないというのが、地方中小企業のAI活用でくり返し見られる失敗パターンです。人手不足のなかで新しい仕組みを回すには、担当者の負担を増やさない形で記録・判定の手間を減らす設計が欠かせません。

畳製造のAI活用はFURUSATOの無料3時間現場セッションから

FURUSATO(フルサト)は、地方中小企業専門のAI活用・DX支援サービスとして、製造業・建設業・物流・卸売業・サービス業など幅広い業種の支援実績を持っています。畳製造のような伝統的な工程を持つ業種に対しても、いきなりセンサーやシステムを提案することはありません。まず無料の3時間現場セッションで乾燥室・検品ラインを実際に見せていただき、含水率の判断がどこで・誰が・どんな基準で行われているかを一つひとつ棚卸しするところから始めます。

このセッションには、現場担当者だけでなく経営者・社長にも同席いただくことを重視しています。畳製造のような属人化リスクの高い業種では、乾燥工程の見直しが人員配置や後継者育成計画そのものに関わるため、経営判断を担う立場の方を巻き込まずに現場だけでツールを入れても、仕組みとして定着しないケースを数多く見てきたためです。地方中小企業のAI活用は、担当者の頑張りだけでなく、経営者が「業務変革」として旗を振ることで初めて根付きます。

3時間のセッションでは、いきなり見積もりやシステム提案を行うことはありません。まず乾燥室・裁断場・検品ラインを実際に歩いて確認し、①どの工程で誰がどんな基準で判断しているか、②その基準は記録に残っているか、③記録が残っていない場合、何が原因で数値化できていないかを、経営者・現場担当者と一緒に洗い出します。製造業・建設業・物流業・卸売業・サービス業など、これまで100社以上を支援してきた経験から、畳製造特有の「乾燥は職人の感覚」という前提そのものを疑うところから対話を始めるのがFURUSATOのやり方です。課題整理が終わった段階で初めて、センサー導入が適しているのか、まず記録様式の見直しだけで十分なのかを一緒に判断していきます。

よくある質問(FAQ)

Q: 畳製造における含水率の適正値はどれくらいですか?
A: い草の場合、一般的に含水率12〜15%程度が適正とされます。この範囲を超えるとカビ・変色が起きやすく、下回ると割れやツヤ低下のリスクが高まるため、乾燥工程での数値管理が欠かせません。
Q: AIによる含水率管理は小規模な畳店でも導入できますか?
A: 可能です。いきなり大規模な設備投資をする必要はなく、まずは現状の判断基準を数値として記録するところから始め、小さく検証しながら段階的に仕組みを整えていくことができます。
Q: 導入までにどれくらいの期間がかかりますか?
A: 事例では、現状の棚卸しから実際の運用開始まで数週間〜数か月ほどかかり、不良品率の低下や検品時間の短縮といった効果が数値に表れ始めるまでの目安は、導入後およそ45日程度とされています。
Q: 職人の技術がAIに置き換わってしまうのでしょうか?
A: 一次判定をAIが担い、最終的な仕上げや微調整は職人が行うという分担が一般的です。技術そのものを代替するのではなく、判断基準を共有し誰でも扱えるようにすることが目的です。
Q: 何から相談すればよいかわかりません。まず何をすればいいですか?
A: FURUSATOの無料3時間現場セッションで、乾燥・検品工程の現状を経営者と現場担当者が一緒に棚卸しし、何から数値化すべきかを整理するところから始めることをおすすめします。

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